国際奴隷博物館
マージーサイド海洋博物館と同じ建物に国際奴隷博物館があります。入場料は無料なので、興味がなくてもついでに行くと良いでしょう。
場所は前回の記事で使ったものを流用。赤丸内が国際奴隷博物館。前記事のマージーサイド海洋博物館の左横に位置します。
建物の3階が入口。焦げ茶色の重々しいエントランス。楽しい気分が吹き飛びます 🙁
ここリバプールは海事都市としても有名な世界遺産なのですが、古くは三角貿易(悪くいうと奴隷貿易)で非常に悪名高い都市。昔は非常に小さい漁村だったんだけど、17世紀頃から急激に発展しました。その理由が三角貿易。
イギリスがアフリカへ武器や酒、繊維製品を送る代わりに、アメリカへと黒人奴隷を売り飛ばし、アメリカからイギリスに砂糖や綿が送られるというイギリス、アフリカ、アメリカ間の産国が関係しているので三角貿易。これによって後述するテートみたいな砂糖でぼろ儲けするような商人があらわれてきたのですねぇ。
博物館内部。ポスターがメインかと思ってたけど奴隷貿易で使われていた物の展示もあった。ここは主にイギリスからアフリカへ送られた武器の展示がメインのようで。
ここから奴隷貿易の歴史のはじまり。ヨーロッパが奴隷貿易によってどれだけ利益が挙げられたかの説明。
奴隷船や当時の様子の絵画とかの展示。右の円柱の壁に書かれてる”My hopes of returning home again is all over”ってのが衝撃的。もう二度と祖国のアフリカに帰ることができない嘆きですね。
お、人の写真が出てきた。アフリカ人の英雄っぽい。
ネルソン・マンデラ!! キング牧師もいますねー。奴隷解放運動に尽力した英雄たちでしょうか。知らない人の方が多くて自分の無知を知る。
重々しいストーリーが続きます。大西洋を渡った奴隷、つまりアメリカ大陸へ渡ったアフリカ人たちがどのように扱われていたかが写真とともに説明されていました。写真が残っていないものは模型や絵で表現されていましたね。
出口に到着…… とはいっても入口に戻ってきただけだけど。展示は少ないですが、歴史を考えると密度の高い博物館だったと思います。二度と奴隷貿易のようなことは繰り返してはいけないという現代への戒めを形にしたものがこの国際奴隷博物館だと思いました。
テート・リバプール
テート・リバプールは、国際奴隷博物館からマージ側に進んでアルバートドックを囲むようにして左折するとすぐのところ。
赤い回転扉が入口。国立美術館ネットワーク「テート」の一部がここ。テートとは以前はテート・ギャラリーって呼ばれてて、その昔に砂糖ビジネスで大成したサー・ヘンリー・テートが、自身の絵画コレクションを1889年にナショナル・ギャラリーに寄贈しようとしたことがキッカケ。
テートは、美術家への名誉ある「ターナー賞」ってのも主催していることでもイギリス国内で有名。
リバプールの美術館は基本的に無料ですが寄付を募ってるところが多いです。例えばこのテート・リバプールは£4の寄付を求めていますが、支払わなくても構いません。満足したら入れてあげるといいかも。
ここは4階の最上階展示。ペッパー君がたくさんいます。実はこのテート・リバプールは館内撮影禁止で、この4階のみOKとのこと。他の階には絵画が飾られていましたが撮れませんでした。
普通の美術館みたくたくさん絵がバーッと飾られているような感じではなく、1つ1つの絵画にスペースを入れて少しお上品な展示でした。
これはペッパー君と犬のロボットの共演。犬の動きにペッパー君が合わせたりと中々面白い展示でした 🙂
次回はピアヘッドにでも行きましょうか。